源泉税Q&A

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  • 20 二段階税率適用の際の「1回に支払われる金額」の意義

    【問20】当社は、著名な芸能人と出演契約を結んでいますが、公演が終わった月末に出演料を芸能人の銀行口座に振り込むこととしています。
    今回、振込金額が500万円になることから、同一の振込日に5口各100万円に分けて振り込むことにしました。1回の支払というのは同一の同一時刻に支払ったものをいうものと考えれば、今回の場合には振込依頼書の順番により時刻がずれることから、1回の支払は100万円と考えられます。
    したがって、二段階税率の適用はないものとして源泉徴収をしてよいでしょうか。
     

    【答20】報酬などの源泉徴収については、一回に支払われる金額が100万円以下の場合は、支払い金額の10.21%を源泉徴収することになりますが、一回に支払われる金額が100万円を超える場合は、100万円を超える部分は20.42%の源泉徴収が必要になります。
    例えば200万円支払う場合、
    100万円×10.21%+100万円×20.42%=306,300円 と計算されます。
    これを二段階税率と言います。
    さて、ご質問のケースですが、原則として、二段階税率を適用する必要があります。
    「同一人に対し1回に支払われる金額」の解釈については所得税基本通達205-1において、「同一人に対し1回に支払われるべき金額」をいうとされていますが、ただし書により、「現実に1回に支払われる金額」によって差し支えないこととされています。
    通常のケースでは、このただし書によって現実の支払が100万円を超えているかどうかで二段階税率の適用の有無は判定すれば良いのですが、ご質問のように同一日の同一の支払の機会に振り込むようなケースでは、通達の趣旨を逸脱しており、同一の支払機会を1回と考えるべきであり、二段階税率の適用があると判断されます。
    【関係法令】所法205一所基通205-1
       

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