5 日中租税条約を香港及びマカオへ適用できるのか
【問5】当社では、香港法人に対して使用料を支払うこととなりました。 現在、香港は中国に返還されているので、当該支払いについて日中租税条約の適用をしたいと考えていますがいかがですか。また、マカオの場合についてはどうですか。 |
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【答5】香港及びマカオについて、日中租税条約は適用されません。 平成9年7月に香港は英国から、平成11年12月にマカオはポルトガルからそれぞれ中国に返還されていますが、次の理由から日中租税条約が適用されないことが、日中両国間で確認されています。
① 日中租税条約第2条第1項Aでは、中国側の対象税目を限定列挙するとともに、同条第2項において、条約締結後に導入される「同一又は実質的に類似の租税」についても条約の適用がある旨規定していますが、返還後の香港及びマカオ特別行政区が独自に制定・運用することが認められている税制は、中国側の対象税目と異なるものであり、同条約の適用対象となる「中国の租税」には該当しません。
② 日中租税条約第3条第1項では、「中華人民共和国」とは、中国の租税に関する法令が施行されているすべての領域等とする旨規定していますが、上記①のとおり、返還後の香港及びマカオ特別行政区の税制は中国の税制とは異なることから、香港及びマカオ特別行政区は同条約の対象領域に含まれません。
このため、香港及びマカオとは、それぞれ、特別行政区として、協定を結んでいます。
いわゆる「中国人留学生」の規定は香港との協定にはありません。
<関係法令> 日中租税条約