法人税Q&A

2法人成のメリットとデメリット

【問2】 個人事業を営んでいますが、事業も軌道に乗りつつあり、会社にした方がよいという知り合いからの助言もあります。会社にする(法人成)のメリット・デメリットを教えてください。
 

【答2】 会社を設立した方が良いのか、個人事業のままが良いのか、よく寄せられる質問です。
法人成をする場合のメリット・デメリットは、それぞれの事情により異なりますが、一般的には以下のようなことが挙げられます。

■法人成のメリット


1 金融機関、取引先等の対外的な信用度が増す
2 経営者や従業員の意識改革 
3 節税効果
(1) 役員報酬を払うことにより給与所得控除の適用分だけ課税所得を減らすことができる
(2) 所得税の最高税率は45%、法人税の実効税率は30%程度、所得金額によっては、税率が低く節税 効果が見込まれる。
(3) 法人所得が赤字の場合、その損失の繰越が9年間可能
(4) 役員に対する退職金の支給が可能

■法人成のデメリット


1 会社設立に費用がかかる。(20万円程度)
2 赤字であっても地方税の均等割が7万円かかる
3 交際費の損金算入額に限度(800万円)がある。 
4 役員報酬は定期同額給与、役員賞与は事前確定届出給与となり、報酬支払いの自由度が減る。
5 法人になった場合、厚生年金の強制加入の対象となり、会社の社会保険料の負担が増えるため、節税した分が社会保険料の負担で利益が消えてしまう。
会社を設立したほうが良いのか、個人事業のままのほうが良いのかは、一概には言えません。
ただ節税メリットについては、所得が500万円程度になった場合は、実感できると思われます。
それぞれの事情に合わせて、法人成を検討してください。  
   

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