法人税Q&A

  • <法人税Q&Aへ戻る>
  • 建物の建築請負の収益計上時期

    【問7】 当社は、注文建築の請負を営んでいます。
    今事業年度において、下請業者の工事の不手際から勝手口部分の内装が未完成のまま施主の都合により入居させざるを得ない事態となりましたが、この請負収益については、今事業年度内に建物の全部が完成していないことから、支出した外注費等を未成工事支出金として処理し当期の収益には、計上していません。
    この処理は認められますか。
    なお、請負代金については、施主から全額入金済みです。
     

    【答7】ご質問の場合、勝手口の内装部分が未完成の状態で施主に引き渡されていることから、目的物の全部を完成して引き渡したとはいえず、法人の処理を認めざるを得ないとする考え方もあります。
    しかしながら、
    ① 当該建物はすでに施主に引き渡されて居住の用に供されていること、
    ② 勝手口の内装部分が未完成であることは、居住の用に供するのに格別の支障がない程度の軽微なものであること、
    ③ さらに施主の都合により入居させ、請負代金についてはその全額が支払われていること
    から判断すると、目的物の完成引渡しがあったものとして、当期の収益に計上するのが相当と認められると税務署が認定する可能性が高いと思われます。
    なお、収益に計上した場合、勝手口の内装部分に係る原価が確定していない場合は、当期末の現況に基づき適正に見積って計上する必要があります。
    【関係法令通達】法基通2-1-5、2-1-7 

    (請負による収益の帰属の時期)
    法基通2-1-5 請負による収益の額は、別に定めるものを除き、物の引渡しを要する請負契約にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日、物の引渡しを要しない請負契約にあってはその約した役務の全部を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入する。(昭55年直法2-8「六」により改正
    (建設工事等の引渡しの日の判定)
    法基通 2-1-6  2-1-5の場合において、請負契約の内容が建設、造船その他これらに類する工事(以下2-1-9までにおいて「建設工事等」という。)を行うことを目的とするものですときは、その建設工事等の引渡しの日がいつでありますかについては、例えば作業を結了した日、相手方の受入場所へ搬入した日、相手方が検収を完了した日、相手方において使用収益ができることとなった日等当該建設工事等の種類及び性質、契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。(昭55年直法2-8「六」により追加)

       

    inserted by FC2 system