相続・贈与Q&A

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  • 【問1】相続税の基本的な仕組みを教えてください。
     

    【答1】夫が死亡して、妻と子供二人(長男・次男)がいたケースで説明します。
    相続が発生すると、夫(被相続人と言います)の一切の資産と死亡保険金や退職金を3 人の相続人で遺産分 割をすることになります。
    法定相続分は、配偶者が全資産の1/2、残りの1/2 を子供2 人で分けますから、子供たちは、1/4 が法定相 続分となります。
    残った財産をその割合で分けるだけなら簡単なのですが、実際の相続では、特別受益という考え方があっ て、例えば、長男は、お金のかかる私立の大学に行き、生前父親から授業料や仕送り等の補助をうけていた が次男は大学にもいかず地元で就職した、などという場合、長男の方が生前、父親から余計に恩恵、次男は 残った財産だけで分けるのは納得いかないこともあります。
    この、生前長男が受けた利益を特別利益と言い、 相続の時にはそれも考慮に入れて相続分を決めることになります。
    相続税の申告は、原則として、遺産分割協議が終了し遺産分割が終わってから、計算していくことになり ます。遺産分割が終わらないと評価の特例等が使えないので大変です。
    相続した不動産や預貯金など遺産、これを本来の相続財産と言います。一方死亡を機に受け取る保険金や 退職金等は、みなし相続財産と言います。
    1 各相続人は自分が相続した財産から、生命保険の非課税額や被相続人の借金などの債務、葬式代等を控除
    相続開始前3 年以内に贈与された財産もそれぞれの相続人の相続財産の価格に加えます。
    3 それぞれの財産の課税価格を合計し、そこから遺産に係る基礎控除を引きます。
    基礎控除は3,000 万円と法定相続人一人当たり600 万円とされていますので、相続人3 人の場合は4,800 万円と計算されます。
    土地などの評価で特定居住用の評価などの特例を使わずに、課税価格が4,800 万円以 下の方は、相続税の申告は必要ありません。
    4 課税価格から基礎控除を差し引いた額を課税遺産総額と呼びます。この課税遺産総額を法定相続分で按 分します。
    つまり、配偶者は1/2、子供たちはそれぞれ1/4 となります。
    5 この按分されたそれぞれの金額で相続税額を算出し、再び、合計します。これで、この相続における相 続税の総額を算出し、課税価格の合計額を分母に各人の課税価格を分子にして、それぞれの税額を出します。
    これを算出税額と言います。
    6 最後にこの算出税額から、各人の税額控除を引いて、納付税額が決まります。この各人の税額控除で配 偶者は法定相続分又は1億6千万円のいずれか大きい金額までの課税資産で計算された税額が控除されます。
    すなわ ち法定相続分で相続するか、全部相続したとしても課税価額が1億6千万円以下だったら相続税はかからないこ とになります。
    とは言え、配偶者控除などを利用するためには、相続税の申告書の提出が必要です。
    文章だけでは分からないですよね。
    この図
    をご参照ください。
       

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