相続・贈与Q&A
<相続贈与Q&Aへ戻る>
贈与税の基本的な仕組み
【問9】贈与税の基本的な仕組みについて教えてください。
|
【答9】贈与税は、個人がその年(1月1日から12月31日)に他の個人から、財産の贈与を受けた場合に課税されるものです。
法人から個人に贈与があった場合は、贈与税ではなく、所得税の一時所得となります。
贈与税には、「1暦年課税」と「2相続時精算課税」という課税方法があります。
1 暦年課税
一年間(1月1日から12月31日)の贈与額110万円までは基礎控除があり、贈与税がかかりません。
110万円を超えた贈与を受けた場合は、超えた部分に対して10%~55%の累進課税で課税されます。
贈与税の税額表は①一般贈与財産用と②特例贈与財産用(直系尊属(父母、祖父母)から20歳以上の直系卑属への贈与)の二種類があります。
一般贈与財産用 | 特例贈与財産用 |
区分 | 税率 | 控除額 | 区分 | 税率 | 控除額 |
~200万円以下 | 10% | | ~200万円以下 | 10% | |
200~300万円 | 15% | 10万円 | 200~400万円 | 15% | 10万円 |
300~400万円 | 20% | 25万円 | 400~600万円 | 20% | 30万円 |
400~600万円 | 30% | 65万円 | 600~1000万円 | 30% | 90万円 |
600~1000万円 | 40% | 125万円 | 1000~1500万円 | 40% | 190万円 |
1000~1500万円 | 45% | 175万円 | 1500~3000万円 | 45% | 265万円 |
1500~3000万円 | 50% | 250万円 | 3000~4500万円 | 50% | 415万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 | 4500万円超 | 55% | 640万円 |
なお、以下の贈与等は非課税扱いとなっています。
・法人から贈与を受けた財産 ⇒贈与税ではなく所得税の対象(一時所得)
・扶養義務者相互間の生活費又は教育費で通常必要なもの
・直系尊属からの教育資金の一括贈与の非課税(教育資金口座)1500万円以内 (学校以外500万円)30歳未満)(25.4.1~31.3.31)
・結婚・子育て資金の一括贈与(1000万円)まで 金融機関で取り扱う
・直系尊属から住宅取得等資金贈与(受贈者が20歳以上、合計所得2000万円以下)
2 相続時精算課税
相続時精算課税は、贈与の時には贈与税を課さないけれど、相続が発生したら、その贈与された金額を相続税の計算の時に加算して相続税を計算しましょう、という制度です。
平均寿命が延び高齢化が進む中、次世代に財産の移転を促す仕組みとして導入されました。
相続時精算課税は、贈与した年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母から、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の贈与者の推定相続人及び孫に対しての贈与の際に利用できるのですが、住宅取得資金の贈与に関しては贈与者の60歳以上という年齢制限がありません。贈与者が50歳とかでも利用できます。
相続時精算課税の利用限度額は2,500万円となっており、利用限度額を超えた場合は、超えた部分は基礎控除がなく課税対象とされます。
ある贈与者からの贈与について相続時精算課税を選択したらその贈与者からの贈与を暦年課税に戻すことはできません。例えばお父さんが3,000万円を子供に贈与したいと考えていた場合、2,500万円までは、相続時精算課税を利用できますが、残りの500万円を1年あたり100万円で5年間贈与とするということになれば、毎年基礎控除なしでの100万円が課税対象となります。
贈与税のしくみをご参照ください。