所得税Q&A


16 非居住者の172条申告

【問16】非居住者が日本国内で働いた場合、国内源泉所得とされ、税金が20.42%かかると聞いています。
その給与等が日本国内の会社から支払われる場合は、その支払いの際に20.42%の源泉徴収がされますが、海外の会社がその非居住者の海外の口座に振込んでしまう時は、源泉徴収されないので、20.42%の課税はないのでしょうか。  

【答16】ご質問の通り、非居住者が日本国内で働いた場合、国内源泉所得とされ、税金が20.42%かかります。
 源泉徴収義務者である日本国内の会社が支払う時には、20.42%の源泉徴収税額を引いた上で、その非居住者に払い込むことになります。
 これに対して、ご質問のように、①海外の会社から給与が支払われていて、②183日を超えて日本に滞在する場合は、短期滞在者免税に該当しないので、非居住者自身が、日本の税務署に申告して、納税することになります。
 この申告書は、通常の申告書と違って、支払金額の20.42%の税額を納める様式になっています。
 この申告書は所得税法第172条に規定されており、通常「172条申告」と呼ばれています。
 申告期限は、通常の確定申告期限と同じ翌年3月15日となりますが、それ以前に帰国する場合は、出国前に提出することになります。
 
ペラ一枚のこんな様式です。ご参照ください。
<所得税法>
(給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告納税等)
第百七十二条 第百六十九条(課税標準)に規定する非居住者が第百六十一条第一項第十二号イ又はハ(国内源泉所得)に掲げる給与又は報酬の支払を受ける場合において、当該給与又は報酬について次編第五章(非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収)の規定の適用を受けないときは、その者は、次条の規定による申告書を提出することができる場合を除き、その年の翌年三月十五日(同日前に国内に居所を有しないこととなる場合には、その有しないこととなる日)までに、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 その年中に支払を受ける第百六十一条第一項第十二号イ又はハに掲げる給与又は報酬の額のうち次編第五章の規定の適用を受けない部分の金額(当該適用を受けない部分の金額のうちに前条に規定する退職手当等の額があり、かつ、当該退職手当等につき同条の選択をする場合には、当該退職手当等の額を除く。)及び当該金額につき第百七十条(税率)の規定を適用して計算した所得税の額
二 前号に規定する給与又は報酬の額のうちに、その年の中途において国内に居所を有しないこととなつたことにより提出するこの項の規定による申告書に記載すべき部分の金額がある場合には、当該金額及び当該金額につき第百七十条の規定を適用して計算した所得税の額
<略>
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