所得税Q&A

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  • 3 借地を無償で返還した場合

    問3 A社はBの所有する土地を20年前から賃借し、その土地に木造の営業所を建設し業務を継続してきました。
    当初契約における借地期間は10年間ですが、更新されています。
    更新の際は、権利金及び更新料の授受はありません。
     本年6月、A社は、建物の老朽化等によりその建物で営業することができなくなったため、新たに営業所を賃借することとして当該契約を解除しました。
    契約の解除に当たって、A社がBに土地を無償で返還した場合、Bの課税関係はどのようになりますか。
    (注) 1 土地賃貸借契約を基とする土地賃貸借料改定契約において、契約の解除に当たっては、「賃借人において、他の場所に新営業所の建設を完了した場合、賃借人は業務開始前6か月の予告をもって本契約を解約することを得る」とされています。 2 現在Bの所有する土地のある地域においても土地の賃借に当たっては、権利金を授受する取引上の慣行があります。  
      【答3】個人地主であるBが借地人A社から無償で借地権の返還を受けた場合、この返還に至った事情について「一定の理由」が認められないときは、A社から地主Bに対し借地権の贈与があったものとしてBに対して一時所得があったとして課税されます。(なおこの場合、借地人が個人の場合は、贈与税対象となります。)借地人であるA社には課税関係は生じません。
    *「一定の理由」とは次のようなものです(所得税基本通達59-5)
    1 借地権等の設定に係る契約書において、将来借地を無償で返還することが定められていること。
    2 土地の使用目的が、単に物品置場、駐車場等として土地を更地のまま使用し、又は仮営業所、仮店舗等の簡易な建物の敷地として使用していたものであること。
    3 借地上の建物が著しく老朽化したことその他これに類する事由により、借地権が消滅し、又はこれを存続させることが困難であると認められる事情が生じたこと。

    ご質問の場合、契約の解除条項に従って解除するものであることから、賃借人及び賃貸人のいずれも、課税関係は生じません。 (注) 建物の老朽化により借地権が消滅する場合、法人税の取扱いにおいては無償返還が認められています。
    【関係法令通達】 法人税基本通達13-1-14(3)
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